財団法人神奈川科学技術アカデミー

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- がん細胞を一細胞単位で捕らえて定量検査する新規診断治療技術の開発 -

「オンチップ・セロミクス」プロジェクト

 従来不可能であった細胞の特性や状態を一細胞単位で詳細に定量計測解析する技術の確立を目指しています。今まで開発した基盤技術をがん診断等に応用することにより、患者さんの身体的負担が少ない新しいがん予防診断法や術後再発検査法の開発、抗がん剤の種類と投与量を適切に選択する技術の開発、がんの転移メカニズムや創薬の基礎研究への貢献を目指しています。

研究成果が「Japanese Journal of Applied Physics」に掲載されました。
論文タイトル:「Depletion effect on concave microstructure upon size-specific target particle collection」
「Evaluation of imaging biomarkers for identification of single cancer cells in blood」


研究体制

期 間
2012年4月~2016年3月
実施場所
かながわサイエンスパーク(KSP)
神奈川県川崎市高津区坂戸3-2-1 東棟4F
KAST LiSE Lab.(ライズ ラボ)
神奈川県川崎市川崎区殿町3-25-13
川崎生命科学・環境研究センター(LiSE)4F

研究員一覧

研究概要 (H24年7月)pdfアイコン

中間評価報告書(PDF 790KB)pdfアイコン

事後評価報告書(PDF 69KB)pdfアイコン

研究状況(PDF 431KB)pdfアイコン

安田「一細胞分子計測」プロジェクトの金 賢徹サブリーダーがMNC 2009 Outstanding Paper(最優秀論文賞)を受賞しました

研究概要

 がんの早期診断と再発・転移予防診断技術の開発は、人々が安心した生活を営むために取り組むべき必須の課題です。特に、神奈川県民の死因第1位で、県民の3人に1人ががんで亡くなっている現状において、県主導研究機関のひとつであるKASTが中心となり、その開発に取り組むことは急務となっています。
  そこで本プロジェクトでは、①組織切片中の微量がん細胞を正確に発見し、網羅的な遺伝子発現解析によりがんの種類を診断する「一細胞定量ゲノム・プロテオーム解析」技術(がん組織検査装置)、②名刺サイズほどのチップ上に作製したマイクロ流路中で検査試料中に含まれるがん細胞を発見・回収し、超高速遺伝子増幅技術でがんの種類を特定する「定量イメージング細胞解析」技術(血中がん細胞解析装置)などを、世界に先駆けて開発することを目指しています。
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研究内容

1)がん細胞の一細胞単位定量発現解析技術の開発

  組織切片中に極微量含まれるがん細胞を発見し、網羅的遺伝子発現解析によりがんの種類と状態を1細胞単位で診断する、定量的がん細胞発現解析技術を開発します。具体的には、様々な粒径・元素のナノ粒子でひとつのがん細胞中に存在する遺伝子を網羅的に標識し、電子顕微鏡分析計測技術により発現量と空間局在分布を特定することにより、ひとつのがん細胞内の分子発現状態を高空間分解能で定量画像診断する技術を開発します。

図1 蛍光アプタマーによる可逆的標識評価

2)オンチップCTC検出・診断システムの開発

  血液試料中に極微量のみ含まれるがん細胞(CTC)を検出するために、シームレスな解析と診断が可能な、一体型CTC検出診断システムの開発を行います。
   はじめに「細胞前処理モジュール」にて、不要な細胞の除去と細胞濃度の調整をします。また、必要に応じて、酵素処理により可逆的に標識・脱標識可能な蛍光アプタマー(標的タンパク質と特異的に結合する核酸分子)でCTCのみを蛍光標識することにより、ダメージを与えることなく目的の細胞のみを染色する技術を開発します(図1)。

図2 画像識別型セルソータ-チップと試作機
 次に「細胞分取モジュール」にて、試料をチップ上の微細な流路に流し、試料中に含まれている全ての細胞を超高速カメラで一つ残らず観察することにより、極微量のCTCを逃さず検出する技術を開発します。発見したCTCは、流路中に構成した微小な電極に電圧を印加して目的の細胞の進路を変更する方法で通常の血液細胞と仕分けて回収します(図2)。また、必要に応じて蛍光観察と組み合わせることにより、CTC検出感度のさらなる向上を目指します。

図3 超高速リアルタイムPCR装置と評価結果
  最後に「細胞診断モジュール」にて、選択的に回収したCTCがどの臓器に由来する細胞であるか、あるいは回収したCTCに対してどの種類の抗がん剤が最も有効であるか判定するために、遺伝子診断を行います。高温の液体を循環させることにより高速温度変化を可能とした遺伝子増幅(PCR)装置(図3)を利用して、CTCが特定の遺伝子を含有しているか5分程度で判定する技術を開発します。
  以上の一連の工程に要する時間を15分程度に収めることにより、汎用的ながん診断技術となることを目指します。

イノベーションセンター 地域イノベーション推進グループ
TEL:044-819-2031 FAX:044-819-2026
地域イノベーション推進グループ E-mail : sks@newkast.or.jp

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