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「フレキシブルデバイス」プロジェクト

終了プロジェクト

研究概要

 今日の情報化社会の基礎となるエレクトロニクスは集積回路や発光ダイオード、レーザー、太陽電池と言った半導体の素子を組み合わせることによって実現されています。これらの半導体素子は半導体の原子が規則正しく並んだ半導体単結晶基板の上に回路を刻み込んで製造されています。しかしながら、半導体の単結晶基板には高価である、硬くて脆い、面積が小さいといった問題点があり、素子としての応用範囲が極めて限られていました。我々は最近、金属の板の上に単結晶と呼べるほど高品質な半導体の薄い膜が成長できることを見出しました。金属の板には安価で容易に面積を大きくできるという特徴がありますので、この特徴を生かせば、従来に無い大面積半導体素子を安価に作ることができると考えられます。

 さらに、金属板上に成長して回路を刻み込んだ半導体を有機物やガラス、セラミックスといった材料に接着し、金属板を除去することによって、これまで構造材料としてしか使われていなかった材料に演算や記憶、発光、通信、発電等の新しい機能を持たせることができます。特に、この半導体転写技術をポリマーフィルムに適用すれば軽量かつ柔軟、透明といった今までに無い特徴を持つエレクトロニクス素子を安価に大面積で生産できるようになると考えられます。本プロジェクトの成果によって現在のエレクトロニクスが抱える単結晶基板の使用という制約を取り除けば、自由度の高い「フレキシブル」なエレクトロニクスが実現し、誰もがどこでもコンピューターと通信を利用できる真のユビキタス社会が到来すると考えています。

フレキシブルデバイス
フレキシブルデバイス

プロジェクトリーダー

藤岡 洋 氏藤岡 洋


【エレクトロニクス・
情報技術】

「フレキシブルデバイス」
プロジェクト

研究体制

期間 H15.4~H20.3 5年

研究内容

金属板上の半導体単結晶
【図1】金属板上の半導体単結晶

1) 金属基板上への単結晶半導体素子形成技術の開発

  半導体デバイスにおいては電子が高速で結晶中を動きまわる必要があります。このためには【図1】に示すように半導体の原子が周期的にきちんと配列し、さらに、不純物や欠陥が無い状態を実現する必要があります。 我々は先ず、【図2】に示すような複合結晶成長装置を用いて金属の板の上に再現性良く高品質半導体単結晶薄膜を成長する技術を開発します。次に、金属板上の半導体薄膜にリソグラフィーを用いて、トランジスタや発光ダイオード、太陽電池といったデバイスを作製するプロセス技術を開発します。

金属上への半導体成長を可能にする複合結晶成長装置
【図2】金属上への半導体成長を可能にする複合結晶成長装置

2) 半導体金属転写技術の開発

  従来の光エレクトロニクスデバイスをみると、その動作のほとんどは、光と電子の電荷との相互作用に基いており、光-磁気効果は、それほど脚光を浴びてきませんでした。本プロジェクトにおいて、光-磁気現象を利用した新機能光エレクトロニクスデバイスが実現されれば、同分野に大きな波及効果を及ぼすのは必至です。具体的には、レーザー光源周囲機器が大幅に小型化できるほか、次世代を担う1µm以下の波長帯通信が可能となります。また、材料そのものがメモリなどの機能を持つため、デバイス構造が単純化でき、高集積化が見込まれます。

3) 研究の意義と展望

  本プロジェクトの成果によって現在のエレクトロニクスの抱える単結晶半導体基板の使用という制約を取り除けば、ガラスや建物、衣類、プラスチックといったあらゆる物質に計算機能や通信機能、表示機能、発電機能を与えることができ、自由度の高い「フレキシブル」なエレクトロニクスが実現すると考えています。

ポリマー上への半導体素子転写プロセス
【図3】ポリマー上への半導体素子転写プロセス

記者発表情報

  • 平成20年2月27日 発表資料(PDF 532KB) 記者発表資料_H190109 PDFファイル
  • 平成19年1月9日 発表資料(PDF 390KB) 記者発表資料_H190109 PDFファイル
  • 平成17年2月3日 発表資料(PDF 119KB) 記者発表資料_H170203 PDFファイル

イノベーションセンター 研究支援グループ
TEL:044-819-2034 FAX:044-819-2026
研究推進グループ E-mail : res@newkast.or.jp

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