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「光極微機能」プロジェクト

終了プロジェクト

研究概要

 ナノメートルサイズの半導体や金属(ナノ物質)は、量子効果と表面効果に起因して、たった一つの粒子でも非常に優れた光学的性質を示します。本プロジェクトでは、このような単一のナノ物質粒子の機能やその起源を正しく評価するための測定技術を確立します。また、ナノ物質は他の物質と複合することによって、まったく新しい機能を生み出すことが予測されています。そこで、さらにわれわれは、さまざまなナノ物質の組み合わせに対して新奇な光機能を発現させ、そのメカニズムを解明することを目指します。

 単一のナノ物質粒子の観察は、これまで見出されなかった潜在的な光学的性質を明らかにしていきます。さらにナノ物質の複合がもたらす新たな光機能は、将来の光デバイスや材料設計、画像計測へと広く応用されることが期待されます。

「光極微機能」プロジェクト

プロジェクトリーダー

斎木 敏治 氏斎木 敏治
(さいき としはる)


【エレクトロニクス・
情報技術】

「光極微機能」プロジェクト

研究体制

期間 平成10年 4月~平成13年 3月

ナノメートルの光を自由に操る技術の確立と応用

 本プロジェクトでは、ナノメートルの極微な領域に光を閉じ込める基本技術の確立を目指し、ナノの空間に閉じ込められた電子との間で光が繰り広げる新しい物理現象を解明しました。これらの機能を生かした応用分野の開拓については、引き続き光科学重点研究室大津・斎木グループにて研究を続けます。

光極微機能の応用展開
光極微機能の応用展開

研究成果

(1)光ファイバプローブと近接場光学顕微鏡の開発

 光ファイバに微細加工を施すことにより、光をナノメートル空間に送り込むための光ファイバプローブを作りました。特にできる限り効率良く光伝達するために、計算機シミュレーションによる設計を行いました。また、ナノメートルの空間に送り込まれた光(近接場光)を利用し、高い空間分解能で光観察を可能とする近接場光学顕微鏡(NSOM)を開発しました。慎重なプローブ設計と作製技術の高度化により、従来のNSOMと比較し、分解能、感度とも大幅に改善されました。

(2)近接場光学顕微鏡による単一分子の超高分解能検出

 NSOMの高感度化により、たった一つの色素分子からの蛍光を簡単に捕らえることを可能にしました。また、光閉じ込め技術の向上に加え、色素分子からの発光を局所的に制御するメカニズムを見出すことにより、単一分子の位置を10nmの精度で決定することができるようになりました。従来の技術での位置決め精度の限界が100nmであることと比較すると、10倍の精度向上となります。これにともない、DNAとタンパク分子との相互作用解明など生体分子科学への応用も検討を開始しました。

(3)単一量子ドット分光による閉じ込め電子状態の解明

 半導体量子ドットは、原子的なエネルギー構造をもつため、その特長を生かした半導体レーザや量子コンピュータの基本素子として応用が期待されています。われわれは一つ一つの量子ドットをNSOMを使って丁寧にスペクトル解析し、従来理解されていなかった電子状態とそのダイナミクスを明らかにすることに成功しました。また、たった一つの量子ドットを使って光を制御するスイッチング機能も見出しました。

(4)ナノメートルに閉じ込められた光の新しい応用分野の開拓

 閉じ込められた光の偏光特性は、通常の光とは大きく異なります。この特長を生かし、光記録マークの新しい読み出し原理を発見したり、液晶分子のダイナミクスを観察したりすることに成功しました。また、超短パルスレーザを利用し、空間だけでなく時間的にも閉じ込められた光を生み出し、新しい分光法の開発やその他の応用についてさまざまな提案をおこなっております。

KAST単独出願の特許一覧

発明の名称 出願番号 公開番号

微細加工装置

特願 2000-183615

特開 2001-62574

イノベーションセンター 研究支援グループ
TEL:044-819-2034 FAX:044-819-2026
研究推進グループ E-mail : res@newkast.or.jp

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