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-研究プロジェクト(終了)-

「ナノ光磁気デバイス」プロジェクト
【材料科学・ナノテクノロジー】

長谷川哲也 氏

「ナノ光磁気デバイス」 室長 長谷川哲也
(H15.10〜H20.9 5年)

■研究内容 エレクロトニクスは現代社会を支えるバックボーンの一つであり、その発展なしに我が国の将来は語れないといっても過言ではありません。しかし、エレクトロニクスに対する要求は、単なる高集積化、高性能化にとどまらず、ますます複雑かつ多様化しており、現有技術の延長ではその実現は困難になってきています。このような状況下で、近年デバイスを構成する電子材料そのものに大きな注目が集まっています。なぜならば、新材料の出現は常に大きなブレークスルーをもたらすからです。

ところで最近、ナノ相分離や自己組織化などナノメゾスコピック領域で生じる様々な新機能・新現象が相次いで発見されていますが、これらを整理してみると、複数の相互作用が競合した結果生じていることがわかってきました。従って、個々の相互作用の特性を良く理解した上で、薄膜技術によりそれらの構成を自在に繰ることができれば、全く新しく、かつ巨大な物性を発現させることが可能です。以上の様な発想から、本プロジェクトでは、ナノスケールで相互作用を制御した電子材料のエンジニアリングを提案します。特に、光と磁性を利用した新規エレクトロニクス材料の開発に焦点を絞り、最終的には、デバイスのプロトタイプ作製を目標とします。具体的には、

  • 可視領域で透明かつ巨大な磁気光学効果を示す材料を用いた光アイソレータ(光を一方向にのみ通すデバイス)
  • 室温強磁性・強誘電体を用いた電場制御光スイッチ
  • 光誘起磁気相転移材料を用いた光メモリ

などの実現を目指します。




光−磁気効果
光−磁気効果

ナノ構造の一例
【図1】 ナノ構造の一例
1.光―磁気相互作用を利用した新デバイスの作製
マンガンなどの金属元素を含んだ酸化物では、様々な相互作用が拮抗した結果、準安定状態が生じ、ここに光を当てると、電子のスピンが揃うという現象が起きます。照射した光の量を磁場として記憶できるという性質を利用し、光メモリとしてのデバイス応用を目指します。逆に、磁場により光を操ることも可能です。二酸化チタンなどの半導体に磁性イオンを添加すると透明な磁石を作ることができますが、ここに偏光を通すと、偏光面が回転するという現象が起きます(磁気光学効果)。本プロジェクトでは、巨大な磁気光学材料を開発し、光の整流器として応用します。さらに、誘電体でありかつ強磁性体でもある材料を用い、電場により結晶格子を歪ませることで、電場制御型の光スイッチを実現します。

2.ナノテクノロジーの導入
上記のデバイスを実用化するには、巨大な光―磁気効果を示す材料が必要です。これまでの研究から、巨大な光―磁気効果を得るには、材料の中にナノメートル(=10億分の1メートル)程度の大きさの構造を導入することが、非常に効果的であることがわかっています。本プロジェクトでは、原料をレーザーによって蒸発させ、原子を精密に基板の上に並べていく技術であるレーザー分子線エピタキシー(レーザーMBE)法を駆使し、微粒子が分散した状態や超格子などの様々な形状のナノ組織を人為的に作りこみ、巨大効果を発現させます。

レーザーMBE法の概念図
【図2】 レーザーMBE法の概念図
3.光―磁気エレクトロニクスの展開
従来の光エレクトロニクスデバイスをみると、その動作のほとんどは、光と電子の電荷との相互作用に基いており、光−磁気効果は、それほど脚光を浴びてきませんでした。本プロジェクトにおいて、光−磁気現象を利用した新機能光エレクトロニクスデバイスが実現されれば、同分野に大きな波及効果を及ぼすのは必至です。具体的には、レーザー光源周囲機器が大幅に小型化できるほか、次世代を担う1µm以下の波長帯通信が可能となります。また、材料そのものがメモリなどの機能を持つため、デバイス構造が単純化でき、高集積化が見込まれます。

■記者発表情報

  • 平成19年3月27日 発表資料(PDF 336KB) 記者発表資料_H190327 PDFファイル
  • 平成17年6月20日 発表資料(PDF 513KB) 記者発表資料_H190620 PDFファイル

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