創薬高速スクリーニングシステムの実用化

●研究背景
  膜タンパク質は細胞膜に存在し、細胞の内外への物質輸送・排出、シグナル伝達・変換などにおいて重要な役割を果たしています。膜タンパク質の機能不全は数多くの疾患に直結しているため、創薬の半数以上がこれら膜タンパク質を標的にしていると言われています。膜タンパク質に対する創薬の初期段階では、通常、培養細胞による評価法等が用いられていますが、作業が煩雑で、効率良く精度の高い評価を行うことは難しい手法です。創薬開発の効率化や低コスト化のために、培養細胞による評価法に代わるハイスループットな医薬品評価法が求められています。本プロジェクトでは、微細加工技術、人工脂質膜形成技術を駆使して開発してきた膜タンパク質解析用チップ、その集積化技術等をさらに発展させ、創薬開発支援ツールの実用化に向けて、より迅速で高感度な解析技術の開発を目指します。

 

 
●研究内容
  細胞膜のモデルとなる脂質二重膜を人工的にマイクロチップ上に再構成し、精製した膜タンパク質を導入することで、標的となる膜タンパク質の特性を解析する手法を開発してきました。また、効率的に再現性良く安定な人工細胞膜を作製する手法や、集積チップの作製に向け、多量のモデル細胞膜を再現性良くマイクロチップに構築できる分注ロボットの開発を実施してきました。これまでの取り組みで、創薬の重要なターゲットである膜タンパク質の機能観測プラットフォームを創製することができました。これらの成果をベースに、製薬企業や大学等研究機関と協力し、がんなどにおいて薬剤の標的となる膜タンパク質や、医薬品の副作用に関わる膜タンパク質に対する評価を可能にする膜タンパク質機能計測システムを開発していきます。実用的なシステムとしていく上で必要となるハード(マイクロチップの材料・構造といった部分)と、ソフト(薬剤の評価方法など)の両面を、企業と協力しながら開発し、薬剤の標的となる膜タンパク質について、高速・簡便に機能解析できる創薬支援ツールの実現を目指します。

 



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