生活習慣病改善・ストレス耐性への応用

●研究背景
  近年、アレルギー性疾患羅患患者の増加や高齢化に伴う感染症羅患のリスク上昇、生活習慣病に伴う免疫異常リスクの増加が社会的な問題となっています。腸管には全身の免疫細胞の約60%が集積し、腸管の免疫環境の恒常性を担っています。腸管腔内の細菌や食物抗原を常時取りこみ、種々の免疫細胞の誘導に重要な役割を果たしているのがパイエル板です。パイエル板から輸送されるリンパ球は粘膜局所、抹消免疫組織や中枢神経系に輸送され、各組織で免疫環境の調整を行い、身体全体の恒常性の維持に関与していることがわかっています。これらのことから、パイエル板の免疫機能を調節しうる食品や食品成分が見いだせれば、日常的に健康な身体を維持する方法を開発することができると考えらえれます。

 

 
●研究内容
  これまでに、和漢薬として用いられている植物にパイエル板の免疫機能を調節する食物繊維が含まれていることが明らかになっています。食物繊維は和漢薬に限らず広く植物に含まれる共通成分となっていることから、食品に用いられている植物からもパイエル板の免疫機能を調節する食物繊維を見いだせる可能性が期待できます。一方、パイエル板からは免疫増強と免疫抑制(制御)の相反する機能を有する免疫細胞が誘導されますことから、食物繊維がどちらの方向にパイエル板の免疫機能を誘導するかについて検定する新しい評価法を開発する必要があります。本プロジェクトでは、神奈川県特産農産物、和漢薬の側面を持つが食区分に属する食品素材、及び食用植物由来残渣等の中から、パイエル板免疫機能に対する制御作用を持つ有用な高機能性食物繊維成分を探索し、その免疫調節作用の分類を行うことで腸管免疫系調節に有用な農産物の普及を図るとともに、食品メーカーなどとの共同開発により感染防御免疫増強や生活習慣病により惹起される免疫異常や免疫低下を改善する機能性食品等として実用化します。

 



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